羊の糸紡ぎ
原稿三昧とフルートと病院漫才でたまに家族孝行。最近はNey Matogrossoへの愛の日々(笑)。
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切り干し大根。
両親の引っ越しに伴って、実家に置いてある(=倉庫代わりにしている)私物の始末を命じられました。来週はちょいと実家に帰省しなければなりません。うう、嫌だ‥‥‥‥‥。面倒とかではなく、「嫌だ」。


今日も主治医と文学論にいそしむ女のサイトへようこそ。
治療しろよ、医者。


漢方の「平胃散」というのを飲んでたら、食欲がずいぶんマシになってきました。よーし、むさぼり食うぞー(加減を知れ)。
相変わらず午前中は死体で、しろたんを下敷きにしながら指一本動かせないでいました。うーむ、まだアクトレス(嘘つけ)は体にきついようね。自重しませう。
正直今日は病院にすら行きたくない。しかし行かないと薬が! やい主治医、診断書に「通院がきっちりできてる」って書いたけど、それはあんたが週に一日しかいてへんからや…(涙)。そうじゃなければ、明日とか明後日に行くんや…。
というわけで、本日の挨拶は「この前は随分と歩み寄った診断書をありがとう」という、大変挑戦的な言葉で始まりました。レディ、ファイッ! かーん。
「最近どうですか」
「しんどい」
「そうかー」
「先生もしんどいやろ、雨降ってたし」
「しんどいでー(威張り)。今もしんどいで。もう耄碌してきたわ」
「そんな年でもなかろう」
「いやいや、耳鳴りはするし」
「医者行けよ」
「肩は凝るし、背中は痛いし」
「それは私もや。働き過ぎちゃうん? 昔は電話抱えて寝てたって、からすさんに聞いたでー」
「昔はな。家族に迷惑かけたらあかんやろう」
「うちもしょっちゅう夜中に電話鳴っとったで」
「今はそんなことせえへんで」
「ここ入院病棟ないから、そんなことあらへんのやろ」
「その通りや。原稿はどないですか」
「どうにか書いたでー。少なかったけどな」
「少ないって、どんだけや」
「300枚ちょっと」
「ほー、素晴らしい! 未来の芥川賞!」
「……個人的に、直木の方がええな」
「せやなー、直木賞取った奴のが生き残ってるしなー。同じ読むんなら、直木賞取った人のが読みたいなー」
「あれは何でやろね?」
「芥川賞の奴らは、構想力が足らん。物語を作っていくという力がないねんな」
「ほうほう。ところで先生、最近何か読んだん?」
「おお、この前丸善に行きました」
「ほお」
「そこでな、『キャッチ-22』を見つけて喜んでしもうたわ」
「……文学趣味やと思ってたら、何で『キャッチ-22』やねん。どうせ洋書なんやろ」
「勿論や。あ、知ってる?」
「知ってるわ。もと早川文庫担当をなめるな」
「いやー、嬉しかったねー」
「先生、『ダヴィンチ・コード』は読んだん?」
「ああ、読んだでー。文章に勢いがあってよろしい。訳したのは知らんけどな」
「ほお。ほな読んでみよかな」
(中略。ウンベルト・エーコやら私の心の師匠、カズオ・イシグロに花が咲く)
「……それで、先生サリンジャーはどないですか」
「あー、一応読んだで」
「『ライ麦』か? 私、あれはよう分からんかった」
「英語で読み。そっちのがええって」
「みんな『原書で読んだらもっと分からん』って言うで」
「ああ、そんなんレベルの低い奴が言うことや。原書のがええ」
「ほー、『ナインストーリーズ』は?」
「あれは訳で読んだけど、別にどっちでもよかったな」
「で、先生国内文学は?」
「ほとんど読まへん」
「……一緒か。一緒やな。『もう小説は読まへん』とか言いながら、何だかんだと読んでるやん」
「いやいや、そんなことないで」
「どーせ、先生の『読んでる』って、一ヶ月に100冊以上とかそんなんやろ?」
「いやいやいや、とんでもない」
「ま、ええわ。ふーん、ほな『ダヴィンチ・コード』見てみよっと」
「頑張って、未来の直木賞作家」
「それ、絶対ありえへんし」
「言うだけはタダやろ?」
「さいでございますなあ」
「ほな二週間後、また来てください」
「先生、からすさんに先生が『あじの干物みたいになってる』って言っといた」
「あじの干物! ……どっちかいうたら切り干し大根やな」
「ふーん、訂正しとくわ。ほなさいなら」
‥‥‥‥‥以上、嘘偽りは何一つない、本日の診察内容です。
先生、明らかに私で息抜きしてやがる。最後の「切り干し大根」で、電話中の看護婦さんが耐えきれずに笑ってました。
いやいや、看護婦さんにも笑いを提供できて光栄ですわ。
そんなうちの主治医に、『シャドウ・ダイバー』を力一杯すすめて、最近ゲットしたピーター・ウィムジィ卿の新刊『忙しい蜜月旅行』もすすめておきました。どっちもまんざらではない様子でしたが、そう易々と私の口車に乗ってたまるかみたいな口調で突っぱねることもなかろう。たまにはこっちの口車にも乗れよ。
この主治医とは、妙に海外文学の波長が合ってるみたいでした。白水社を愛してるとことか、晶文社大好きですとか。もともと海外文学好きってので、何か結末は見えてます。英文学好きって言ってたしな…。
ちなみに「最近丸山眞男の話も通じる奴が少ないのよ? 埴谷雄高なんてレアものよ?」と言ったら、「何、最近の若い奴はあかんなー。堕落しきっとる」とのたまってました。
ということは、私は「最近の若い奴」ではないのですな。ここでもオバハン認定かい。


しかし調子の悪いのは、厳然たる事実なので、スーパーでも何を買っていいか分からずさまよってしまいました。
ま、食べる気が少しでもあるのはありがたいので、食えるうちに何か頂いておきましょう。
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